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2022.06.08

ADHD(注意欠如・多動症)について

【ADHD(注意欠如・多動症)について

 

ADHD(注意欠如・多動症)とは、12歳になる前から、年齢あるいは発達に不釣り合いな注意力の障害、多動性、衝動性が認められ、そのために社会的な活動や学業、職業に支障をきたす状態をいいます。

 

不注意や多動性、衝動性は、他の精神疾患によっても生じる場合がありますが、12歳になる前にADHD症状を認めない場合には、ADHDと診断しません。

一方、ADHDにはうつ病、双極性感情障害、不安症などを高率に合併します。これらの精神疾患以外にADHDがあることを診断するためには、12歳になる前から症状が存在することを問診で確認します。

 

・不注意とは

約束やしなければいけない用事を忘れる

ものをなくす

無関係なことが思い浮かんで集中できない

 

・多動性とは

長時間じっとできない

仕事などの時、短時間で落ち着かなくなる

 

・衝動性とは

会話場面で割り込んでしまう

過度に活動的になったり、何かせずにいられなくなる

 

ADHDには遺伝の関連や神経伝達物質の関連があるといわれています。

 

ADHDは比較的新しい疾患であるため、子どもの頃に集団生活に困難があっても特に指摘されることなく大人になった方が多くいます。

子どもがADHDと診断され、自分の幼少期の特徴に似ていると受診される大人の方がいます。

また大人になってから仕事や勉強で不注意が多いことに困って受診される方もいます。

大人になってからでも、生育歴で幼少期の様子を聴くことが、診断するために重要です。

また、幼少期にADHD症状が強く出ていても、成長ととともに症状が寛解する方も多くいます。

小児期にADHDと診断された方が、成人期では多動性、衝動性は軽減するが、不注意は持続しやすく、そのため社会生活に多くの困難をきたすことがあります。

また、二次障害としてうつ病、双極性障害、不安症、物質使用障害などを併存する場合があります。

 

生育歴から明らかにADHDが疑われる場合にはまず薬物療法を行ってみることもありますし、患者さんが希望されるのであれば他院に心理検査を依頼して診断の補助とする場合もあります。

 

治療としては、薬物療法が有効です。

当院で処方できる薬は、ストラテラ(アトモキセチン)とインチュニブ(グアンファシン塩酸塩)の2種類です。

患者さんの治療をしていると、ストラテラはADHDの二次障害で抑うつ症状がある方に、インチュニブは多動性や衝動性が強い方に向いている印象があります。

診察の中で、薬物療法で症状が軽くなり仕事や日常生活の困り感が減ったという感想をいただきます。

不注意や多動性、衝動性でお困りの方は、ご相談ください。

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TEL. 026-214-2114