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2022.11.14

適応障害(適応反応症)について

適応障害(適応反応症)とは、特定できるストレス原因、いわゆる心理社会的ストレスに対して感情や行動面の症状をきたした病態です。

精神科外来では10~30%ほどの患者さんが適応障害を抱えているとの報告もあります。

最近では心理社会的ストレスに適応できない状況よりも、適応を妨げる心身の不調に焦点を当て、適応反応症と呼ばれるようになってきました。

この状態では、学校や会社、家庭などの身の回りに非常にとらわれて、様々な症状が出現します。

不安や抑うつ気分、不眠、素行の障害などがよくみられる症状です。

 

診断に関しては、

・はっきりと確認できるストレスに反応して、そのストレスの始まりから3か月以内に情動面または行動面の症状が出現している。

・そのストレスに対して強い苦痛を感じること。

・社会的、職業的、またはその他の場面で役割を果たすことが難しくなる。

・適応障害以外の精神疾患を除外している。

・正常な死別反応ではない。

・心理社会的ストレスがなくなったら、症状が6ヵ月以内に改善する。

という基準があります。

 

治療としては、社会的・職業的機能を回復させることが目標となります。

心理社会的ストレスが続いて心理的苦悩や混乱が高まっている場合は、まずはストレス負荷を軽減します。

同時に、周囲からサポートが得られるように環境調整をします。

症状が落ち着いてきたら、ストレス耐性を高める方法を検討します。

不眠や抑うつ、不安などが強い場合は薬物療法が必要なときもあります。

心理社会的ストレスが慢性化すると数か月も数年も症状が続く場合もあります。

またうつ病や不安症などの精神疾患に発展する場合もあります。

ストレスが強く体調の変化を感じたら、お早めに医療機関にご相談ください。

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