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2023.04.11
身体症状症について
【身体症状症(SSD)について】
身体症状症(somatic symptom disorder; SSD)とは、痛み(たとえば、筋肉や骨の痛み、腹痛、背部痛、頭痛など)、全身倦怠感、消化器症状、呼吸器症状などがみられる疾患です。
身体症状にとらわれ、もう治らないといった悲観的な考えにとらわれてしまいます。
医療機関を何か所も転々とし、全身の検査を受け異常がないと説明されても、何かの特別な病気にかかっていると考えてしまいます。
身体症状症は、抑うつ症状や不安を伴うことが多く、うつ病や不安症を併発することがよくみられます。
身体症状症は成人の5~7%にみられ、女性に多いです。発症年齢は様々ですが、20~30歳が最も多いです。
診断基準としては
- 苦痛を伴う身体症状
- 身体症状に対する過剰な思考、感情、行動の問題
- 症状の持続(典型的には6か月以上)
が挙げられます。
身体症状をめぐって、家族への巻き込みや孤立化を引き起こすことがあります。
治療としては身体症状症に対しての治療は、エビデンスが確立されたガイドライン等はなく、それぞれの症状に伴い治療を選択していきます。
精神療法としては、支持的精神療法を主体に、心理教育、認知行動療法等を行い、まずは安定した治療関係を作ることが大切です。
認知行動療法に関しては、身体症状症に有効性があるのではといわれています。
その治療では、身体をめぐる認知(心理)症状に焦点を当てることになります。
また、心理社会的要素が身体症状症に作用している場合は、実在する問題の解決やストレスマネジメントが有効になります。
薬物療法としては、抑うつ症状を伴う場合は抗うつ薬(SSRIやSNRIなど)、不安を伴う場合は抗不安薬少量を用いる場合があります。
身体症状症は、適切な治療介入ができないと重症化、慢性化の可能性があります。
身体症状はあるが、全身の検査で異常がみられない場合、心療内科・精神科の受診を検討していただきたいです。
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