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2022.01.22
統合失調症について
【統合失調症】
統合失調症は、考えや気持ちがまとまらなくなる状態が続く精神疾患で、その原因は脳の機能にあると考えられています。
発症の要因は、脳内で情報を伝える神経伝達物質のバランスがくずれることが関係しているのではないかといわれています。また、大きなストレスがかかることなども関係あるようです。
遺伝子も関与しているといわれていますが、単純に遺伝子だけの問題ではなく、様々な要因が関与していると考えられています。
発症率は約100人に1人であり、決して特殊な病気ではありません。
思春期から40歳くらいまでに発症しやすい病気です。
症状としては、大きく陽性症状、陰性症状、認知機能障害の3つに分けられます。
陽性症状は、
・妄想:意地悪をされているような妄想が多い
・幻覚:悪口を言われるなどの幻聴が多い
・思考障害:考え方や会話に一貫性がなくなる
陰性症状は、
・感情の平坦化:喜怒哀楽の表現が乏しくなる
・思考の貧困:比喩などの抽象的な言い回しが使えない、理解できなくなる
・意欲の欠如:自発的に何かを行おうとする意欲がなくなる
・自閉:社会的引きこもり
認知機能障害は。
・記憶力の低下
・注意、集中力の低下
・判断力の低下
などの症状が挙げられます。
治療としては、薬物療法と精神科リハビリテーションが柱となります。
薬物療法は、抗精神病薬といわれるものを主剤に行います。従来の薬(定型抗精神病薬)は陽性症状を抑える力が強く、比較的副作用も強い薬剤でした。新規に発売された薬(非定型抗精神病薬)は陽性症状に加えて陰性症状や認知機能障害に対する効果も期待できます。
抗精神病薬のほかに、抗不安薬や抗うつ薬、睡眠薬などを症状に合わせて組み合わせて治療を行います。
統合失調症は再発しやすい病気です。いったん症状が落ち着いても、長期にわたって治療を続ける必要があります。
再発を繰り返すと、精神機能や社会的な機能が低下して、今までできていたことができなくなるリスクがあります。治療を続けて、再発を防ぎましょう。
精神科リハビリテーションとしては、デイケアや作業療法、SSTや心理教育などが挙げられます。
統合失調症の方を支える福祉制度として、自立支援医療(医療費の自己負担を原則1割とする)、精神障害者保健福祉手帳(暮らしと社会生活、就労をサポート)などがあります。
当院の外来にてご相談いただけましたら、ご説明いたしますので、お声がけください。
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